食育だより

24 2017.3

給食試食会に参加された方からの質問に答えていただきました。

給食試食会に参加された方からの質問に食育アドバイザーの川上さんにお答えいただきましたのでご紹介します。

本日給食試食会に参加させていただきました。
美味しかったです。
ありがとうございます。
試食会でら食物のバランスはごはんが7割、おかずが3割と説明がありました。
本部長様のブログでも出てきた、内海聡先生も間接糖(玄米)であっても取りすぎは毒と言っていたり、現代の食事では鉄不足になるから良質なタンパク質をとりなさいという情報を多く目にするので、どういった理由でこの割合になっているのかお聞きしたくて、問い合わせさせていただきました。
よろしくお願いお願いします。

給食試食会にご参加くださりありがとうございます。「食」に対して高い関心を示していただくと、私どもも大きな励みとなります。
さて、「食のバランス」というのは実は大変むつかしい問題です。それはなぜかと申しますと個人差があるからです。それは大人と子供、男性と女性、体質や季節や暮らしている土地という問題も考えなければなりません。
それで栄養学というものは年齢と労働に必要なカロリーくらいを区別して「一般的にはこれくらい」という目安を与えてくれています。しかしご質問にもあります通り、いろいろな先生のご意見があり、「現代」をどう見るかでも答えが違ってきているというのも事実です。それで私共は、さまざまな学説や時代の変化ということよりももっと本質的なものの見方をしています。
ひとつは地球全体を見たときに、国や地域で食生活に大きな違いがある通り、適した食事も国や地域で異なります。それでまず大切なこととして、私たちが暮らしている土地にその季節にできるものを食べるようにします。
次に大切なことは、すべての生き物がどんな食生活をしていて、人間は何を食べるべきかということです。それで人間は自分で手に入れて食べられるもの、つまり穀物や野菜や果物や近海の魚や海藻を食べるべきであるということです。しかも植物性も動物性も丸ごと全体を食べることでバランスが取れますので、米も野菜も果物も魚も丸ごと全体を食べるべきと考えます。ただし給食では法律的な制限があり皮をむかなければいけないという条件があるそうです。
そしてどのように食べるかということですが、これは肉食動物と草食動物の「歯」を見ていただくとわかりますが、人間の場合は穀物をすりつぶす臼歯と野菜・海藻を噛む門歯と動物性を噛み切る犬歯を数えてみると、20本8本4本になります。つまりご飯と植物性のおかずと動物性のおかずが、5:2:1という割合になります。そしてなにより大切なことは「噛む」ことです。
このようなことから、ご飯とおかずの割合ということを基本的に考えています。

教職員対象の料理教室で美味しい玄米の炊き方を川上さんご夫妻にお習いしました。